今日もまた、ボールは転がる

消え去っていってしまうものと、辿りつきたいところ。必死に手をのばし続けたい。

責任を負うというエゴについて

みんなおなじみジュビロ磐田・名波監督のインタビューがちょいと叩かれている。

 

磐田・名波浩監督が激白「リアクションサッカーはしない」|集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva|J Football

 

まあ、この広いインターネットの海でうまれる数々の炎上ビッグウェーブに比べれば、さざなみにも至らないあぶくのような案件ではあるのだが、オイラのサッカー関連タイムラインでは結構な非難の声が流れていった。

曰く、責任を全部選手に押し付けている、リアクションサッカーを軽視しすぎ、ていうかJ2舐めてるだろ、いやいや舐めてるのは監督業そのものだ、メディアの仕事してたのにメディア対応何も考えてないだろ、批判の主旨はざっとそんなところだろうか。

うーむ。分かる部分も大いにある。でもなあ、どうしてもひっかかる。

 

責任が選手にある、って言うことはそんなにダメなことなんですかね?

 

いや、だって、プレーするのは結局選手だからね。

これを批判している人たちは、現場のトップである監督が責任を負わなければならない、そうでないと選手たちはついてこない、という考えのようで、それはそれでもちろん分かるのだけど、オイラにはどうもそっちの方がおこがましいと思われてならない。

勝てなかったのは自分のせいだ、これを言うのってある意味ものすごいエゴじゃないか。

サッカーという競技における監督の重要性はよおーーーく分かっているつもりだし、実際に監督の采配ミスで落とす試合もたくさんあるだろう。

しかし、それでも、最後に試合を決めるのは選手なんだ。監督である自分じゃない。

これって、選手たちへのリスペクトにあふれたメッセージだと思うのだけど。

 

スラムダンクで(たしか)海南戦の敗北の後、桜木と流川がお互いに「オレのせいで負けた」って言い争うシーンがあった(はず)。

負けず嫌いな二人らしい発言だけど、選手はこれでいいんだと思う。こういうエゴを情熱を表現する選手やチームを、アツいなあ、いいなあと、オイラは応援したくなるよ。

名波監督もインタビューの中で「俺がリーダーだ」という選手がでてきてほしい、というようなことを言っているけど、そこにもつながる話ではないだろうか。

オレが、オレたちが、やるんだ。選手にはそういう気概でいてほしい。

トップ自身が「オレがオレが」だったら、そんな組織、少なくともオイラはイヤだ。

 

一方でねえ、リアクションサッカー軽視ととれる発言は本当にどうかと思う。

勝つためにはリアクションも大事、両方できるのが良いチーム。それがブラジルW杯の教訓じゃなかったの? 育成年代のアジアでの敗北から得られた一つの反省点じゃなかったの?

チームの骨格、アイデンティティを築き上げる時期だということで、あえてそういうブレない言動を貫いているだけなのだったらいいんだけどね。 

 

ちなみに、オイラがこのインタビューを読んだ時の最初の感想は、フロンターレの風間監督と似てるな、というものだった。

風間さんはああ見えてアクション・リアクション、ポゼッション・カウンターというような単純な二元論を嫌っているようだけど、自分たちが主導権を握る、ということには強いこだわりを持っているように見える。

しかも敗戦後のインタビューではたいてい「選手のミスのせいで負けた」ということしか言っていない。名波さんが叩かれるなら、もうとっくにフルボッコで炎上していないといけない恐ろしい人だと思う(すでに一部では叩かれてる気がするけど)。

サッカー王国静岡、特に清水にはそういう土壌があるのかなあ。

 

そんなこんな。

責任どうこうは別にいいから、オイラ的には勝つことにもっとこだわってほしいんだよ。